ホワイトボードで聴き手を惹きつけるプレゼン術とは……絵ごころでビジネス力アップ!

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閉鎖ブログ『ビジネスに役立つ絵ごころ入門』から、選り抜きした作品を転載(加筆修正)しています。

その第4弾は、プレゼンテーションを魅力的に見せる方法
一本調子で退屈なプレゼンから、人を惹きつけるダイナミックなプレゼンへ変貌する方法を、恵賀くんが皮肉たっぷりに解説します。

 

第4話:聴衆を惹きつけるプレゼンには欠かせない、ホワイトボードでの演出術

 

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おやおや、デスクで思い切りため息をつく八木係長がいます。
それを目撃した恵賀くんは、おもむろに近づくと同時に「おい、どうした?」と口にした後、「……んですか?」と敬語を取って付けました。

「君に話しても仕方ないことなんだよ」と一旦返事した後、八木係長は独り言のように「どうしてボクのプレゼンって、皆を惹きつけられないのかなぁ」とはっきり言葉に出しました。

恵賀くんは「八木係長のプレゼンを聴くと、みんなどうなっちゃうの?」と聴いた後、「……んですか?」とまたもや敬語を取って付けます。
八木係長は「ひと言でいうと皆が寝てしまうというか、意識がなくなるというか、うつ伏せになって腹式呼吸を始めるというか……」と睡眠についていろんなバリエーションで表現しました。

「確かに八木係長のプレゼンって抑揚がなく一本調子で、スライドシートに書いていることをただ単に台本のごとく読んでるだけですものね」
と、恵賀くんは八木課長の悩みに同意しました。そして、
「でも、ご心配なく。ちょっとした工夫で、八木係長のプレゼンから睡魔を退散させられますよ」
と、ニコリと笑うのでした。

八木係長は「君ごときに何ができるんだ!」と、何やら恵賀くんの言葉に引っかかった様子でしたが、「ま、とりあえず述べたまえ」とペンを握りメモ帳を取り出しました。
「仕方ねえなぁ」とあからさまな反応を見せながら、「それはね……」と八木係長のノートパソコンに顔を近づけたのです。

 

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「ほほう〜」と、八木係長のパソコン画面に表示されているプレゼンシートを眺めながら、薄ら笑いを浮かべる恵賀くん。
童顔なくせに、なんだかイヤな感じです。

「このシートの中で、どの情報が一番重要なの。……ですか?」
恵賀くんの質問に八木係長は、「まだできてないんだけど、右下あたりに貼ろうとする図形かな。それをま、手っ取り早く、何かこうバーンと見せたいんだよね」と、両手を使って”こうバーン”という動きを表しました。

「簡単ですよ。それはまさに今の時点で、作業を止めることでしょう」と恵賀くんは、パソコン画面を小指で突っつきながら、「ここには手をつけずに、空白にしておけばいいんです」と言い切ったのです。

「え?」と八木係長は不安げに聴き返しましたが、「ボクを信じて。このまんまでいいの!」と恵賀くんは譲りません。そして……
「ここはプレゼンを行いながら、直接描くところなんです!」と、声を高めました。

恵賀くんの主張は、このままにプレゼンシートをホワイトボードへ投影し、プレゼン発表をしながら記述されていない情報をその場で描くというやり方です。
プレゼン・ソフトのアニメーション処理だけに頼らず、聴衆の前でプレゼンターの八木係長自身がパフォーマンスを見せるのです。

「確かに聴き手の注目度は高まるかも……」と、小さく頷く八木係長。
「では……」と静かにその場から離れようとする恵賀くんを、「もう少し詳しく教えなさい」と、明らかな命令口調で静止させました。

そう、さらなる教えを請うために……

 

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「なぜみんなはプレゼンの出来不出来を、パワーポイントの完成度に頼るんですか?」と、恵賀くんは八木係長に詰め寄りました。
「それが一番わかりやすいからだろ」と、まっとうな反応をする八木係長へ被り気味に「だからこそ、注目度を上げるのが手描きなんですよ!」と恵賀くんは拳を握ったのです。

「ホワイトボードは、会議の議事を取るだけの役割しか果たせませんか?」と恵賀くんの問いかけに、「他にも使い方あるんじゃないか」と応える八木係長。
「そう、プレゼンテーションでのスクリーンにしてもいいんですよ」
恵賀くんは八木係長に声を重ねながら、拳を差し上げました。
そして、
「もっともアピールしたいところは、その場でダイレクトに描き込むんですよ!」
と、恵賀くんは瞳をキラキラさせて微笑むのです。

しかしすぐに表情を戻して、説明口調に早変わり。
「まず、ホワイトボードをスクリーンに見立てる。そこへプロジェクターからデータ投射。プレゼン開始。そして重要な箇所になると聴衆に向かってひと言、『では、ここに描いてみましょう!』と予告する。すると、ターゲットは『何事だ!』と顔を上げ、グイッと前方へ目をやる。ハイ、これで惹きつけられた訳だ!」
その勢いに、八木係長は「うん」と首を縦に振りました。

さらに、恵賀くんは無表情で、
「何も表示されていないプレゼンシート。聴き手は不安がる。そこへおもむろに図を描く。色を付ける。文字を加える。そして、……味が出る」
と同じ主旨のメッセージを繰り返し、最後にニカッと表情を崩したのです。

直接描くことは、パワーポイントのアニメで見せる以上の効果がある。それだけじゃない。なんと、プレゼンシート作成に充分な時間が取れないときにも、この方法は使えるだろ。……わかるな、八木」
と、最後はとうとう呼び捨てです。

そんな恵賀くんの言動など気に障ることなく、「よしっ、その方針で行こう!」とマウスを握り直す八木係長。
その背後には、ビリー・ジョエルの『ストレンジャー(口笛パート)』と共に遠ざかっていく恵賀くんの姿がありました。

第4話おわり

 

《バックナンバーのリンク》
 第1話:プレゼンテーションで我を取り戻す方法
 第2話:対立する議論を冷静に収める方法 
 第3話:資料作成で図解をクールに、しかもホットに描くコツ 

 

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