かれこれ30年近く働いたおかげで、多くのビジネスパーソンを観察する機会を得てきました。
特に講師業なんかを生業にしていると、日々いろんな人物と出会い、そのパーソナリティに触れる毎日です。
そこで「おっ、こやつ。プロやな〜」と感嘆させられる人物に出会うこともあったりして、なかなか刺激的です。
そんなプロフェッショナルな印象を与える人たちは、一般的ビジネスパーソンと何が違うのだろうか、と考えました。
そして、4つの差異を認めることができたのです。
まず、ひとつめは……
現場対応力!
いわば、状況の変化に応じて、自在に対応できる引き出しの多い人です。
その場の活動に影響するビジネスターゲットの要求って、大きく3つのファクターに分かれます。
① レベルアップの要求————————
「もっと良いものにするには?」「さらに精度を上げるには?」
② コストダウンの要求————————
「費用を抑えるには?」「予算内で実施するには?」
③ 時間効率化の要求—————————
「より時間を短くするには?」「期限内で収めるには?」
上記3つの切り口は、いわゆる『Quality』『Cost』『Time』のビジネス活動の3要素なのです。
その優先度は、相手の置かれた状況によって都度変わっていきます。
そこで発生するリクエストに対して、「じゃ、この順番を変えてやってみましょう。すると少しは早くなりますよ」とか即適応するのです。
……では、どうやって対応力を上げるのか?
それは、自らが保持するテーマの『Quality』『Cost』『Time』を自在にコントロールするパターンを作っておくとよいでしょう。
実はこの3要素、互いにトレードオフの関係にあります。
レベルをアップするなら、多少コストは上がってしまうのです。もちろん時間もかかります。
コストを下げるなら、精度を落とす決心が必要になります。時間を早めるのも、同様にクオリティへ影響しますね。
こうした相手のニーズに合わせてプライオリティを見極め、条件を変えるなどの提案を行いながら、割り切りを明確に表しての同意を得ます。
「ちょっと時間はかかりますが、この部分の精度は上げられそうです」なんてのを即答です。
そして早速、その場でやってみてターゲットの満足を得るのです。
「そんなん、でけへんよ!」と抵抗すれば普通のビジネスパーソンでしかなく、プロは「じゃ、こうしていこう!」と物事を前に進めます。
だから、差がつくのでしょうね。
「いや、これがオレ流やから」といって、こだわり派のような理由をつける人物って、実はキャパがないのかも。
いろいろとできることが認められた上での「オレ流」だったら、選び抜いた”こだわり”として評価されるのですが……。
では次回、”プロと呼ばれる違い”の2つ目となる実践ポイントを紹介します。
