3年ほど前に描いたコミックエッセイをベースに、その後の自分で振り返る第2弾。
企業研修というのは、”会社からお給料をいただきながら失敗してもよい機会“を与えられている。
しかし、何事も失敗したくないと思うのが人情。
そんなプレッシャーと戦いながらプレゼンテーションを行う受講者って、なかなか興味深い……
第2話『講師として愛すべき緊張があからさまな受講者』
当方が企業教育機関と契約をし、最初に実施した研修が『プレゼンテーション研修』だった。
もう十年以上前になる。
正確に数えたわけではないが、おそらく今まで3000人以上のプレゼンに接し、感想を述べてきたと思う。
多いときには1日で50人の発表を聴いたりした。
研修の最後には、講師から受講者一人一人に対してコメントを述べる。
だから、受講者のプレゼン・スキルをしっかり観察しなければならないのだ。
このエッセイを描いた後も、多くのプレゼンターと出会い、いろんな発表スタイルを目の当たりにした。
たとえば、スクリーンに向きっぱなしで、聴衆を全く見られないプレゼンター。
これは本人の自覚あるなしに関わらず、結構存在する。
そんな中で、当方の記憶に刻まれて忘れられないプレゼンがある。
“ホワイトボードを使って5分間のプレゼンを行う”という課題で、与えられた時間中ずっと絵を描いては消しを繰り返してしまい、前を向いて言葉を発することなくプレゼン終了した例。
皆で、その発表者の絵の書き方を、じっと眺めていたことになった。
……そう、プレゼンテーション研修でプレゼンをしなかったという猛者(本人は結構焦っていた)を、今でもハッキリ思い出すなぁ。
