たかがアンケート、されどアンケート

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7月5日の朝日新聞紙面。
受講者の評価によって教育事業者が講師を解雇するという事情を述べている。

確かに顧客(受講者)が接する商品・サービス(講師)に対して、その評価(声)を集めることは必要だが、それを首切りの道具に使ってしまうとはいかがなものか。

受講者は講師に教えてもらう立場なのに、講師を評価する役目まで仰せつかる現状。

評価者としての能力があるわけではない”教わる人”の、”教える人”への印象的な好意が明暗を分ける。

講師が厳しく教えると受講者の評価が下降傾向を示すなど、悲しい事実がないとはいえない。

以前、新入社員研修のアンケート項目にこんなのがあった……

それは、「この講師は研修テーマへの知識が充分にあるか?」という問い。
なぜ新入社員が、講師の知識量を計り知れるのか?
よくわからない項目には結局、5段階評価で『3』や『4』が付けられるだけ。
こりゃ、教える方としてはたまったモノではない。

ただ、こうしたアンケートを参考情報として扱ってくれればいいのだが、事務局によってはこの結果だけを頼りにする場合がある。
教える現場を見に来ることなく、アンケートの評価だけで研修の善し悪しを判断するのだ。

たとえば受講者が感想を自由に記入する欄に、「難しかった」という表現が使われる。
それはテーマに対してなのか、内容やレベルに対してなのか、はたまた講師の教え方に対するものなのか……?
これがハッキリしないまま、その「難しい」という言葉を事務局は受け取り、「じゃ、教え方がわかりにくいんだ」と解釈してしまう。

だから研修開始時に、「難しい」という言葉の定義をしている。
“難しい”とは、“慣れていない”状態であって、決して“できない”ことではありまへん。車の運転は免許を取る前、難しいと思いますけど、誰もが車を運転できるようになる。それは目的が明確やから、難しくてもできるようにと努力するんです。そやよって、何事にも目的を持つことが必要なんですな」

こうして、アンケートの向こう側にいる人たちへメッセージを送っているのだ。

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